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AIが至れり尽くせりで答えてくれる未来、人間は「説明する努力」を忘れていく?今後コールセンターで確実に起こる「曖昧な問い合わせの増加」を見据え、人間オペレーターに今から仕込んでおくべき「言ってないことを理解する超・傾聴力」の必要性を現場のプロが説く。
スマートフォンの画面に雑な文字をいくつか打ち込むだけで、あるいはマイクに向かって曖昧につぶやくだけで、AIがこちらの意図を先回りして完璧な答えを用意してくれる――。そんな「至れり尽くせりのAI社会」が、すぐ目の前まで来ています。
コールセンターの周辺でも、チャットボットや生成AIを活用した自動化ツールへの投資は今後さらに加速していくでしょう。
しかし、テクノロジーが進化しきったその先、人間のオペレーターが待つ現場には、一体どんな変化が待ち受けているでしょうか。
私たちが今から見据えておくべきなのは、「お電話をかけてこられるお客様の『伝える力(言語化スキル)』が、今後ますます低下していく」という確実な潮流です。
■ 便利すぎる社会が、人間の「言語化コスト」を奪う未来
「あ、もしもし。あの画面のやつ、なんか消えちゃったんだけど、どうすればいいの?」
「昨日届いたあれ、色が変わってる気がするんだけど」
今後、AIに「雑な質問」を投げても綺麗に処理してもらえる環境に人間が慣れきってしまったとき、社会全体で一つの変化が起こる筈です。それは、「自分の頭を使って、困りごとを論理的に整理し、他人に説明する」というコスト(労力)を、誰も払わなくなっていくということです。
主語が抜け落ち、曖昧で、感情だけが先走った状態で「あとはよろしく」と人間に委ねる――。そんなお電話の割合が、今後は間違いなく増えていくのではないでしょうか。
定型的な手続きや分かりやすい問い合わせがAIによって自動化されきった未来、有人窓口に回ってくるのは、そうした「お客様自身も言葉にできていない、複雑でもつれた糸のような案件」ばかりになるのです。
もし、その未来がやってきたときに、現場のオペレーターに「テンプレート通りの回答力」や「マニュアルの丸暗記」しか仕込まれていなかったとしたら、組織は確実に機能不全に陥ります。
■ 「言ったこと=言いたいこと」とは限らない時代への備え
お客様自身が「自分が何に困っているか」を言語化できない時代。
そこで求められるのは、優れた回答力ではありません。お客様の曖昧な言葉の裏にある、本当のニーズ(ウォンツ)を丁寧に引き出す「聞く力(超・傾聴力)」と「サービス精神の向上」です。
私はコールセンターの運営実務にのべ13年、その前段階の金融業務を含めると28年間、数え切れないほどの応対データと向き合ってきました。そこで得た「言葉の貯金」として、現場には常にこう伝えています。
「お客様が言葉にしたこと(言ったこと)=本当に求めていること(言いたいこと)とは限らない」
「システムが壊れている!」と怒る未来のお客様の本当のウォンツは、システムの修理そのものではなく、「明日からの業務が止まってしまう恐怖」の解消かもしれません。
「聞き上手な人は、言ってないことまで理解する」。 この人間ならではのスキルを、現場が今から身につけておくことこそが、数年後にAI化が進みきった市場で、企業の決定的な競争優位性(CXハブとしての付加価値)になります。
■ 決めつけて聞かない「仕組み」を、今から仕込む
では、その未来の潮流に備えて、今、私たちは何をすべきでしょうか。
まずは現場で、「お客様はこう言っているから、きっとこれが正解だろう」と決めつけて聞く古い習慣を捨てることです。
お客様の言葉を鵜呑みにせず、フラットな目線で「なぜこのお客様は、今この表現をされたのだろう?」と耳を傾ける。そのための質疑の型やトレーニングを、今から組織の「仕組み」として埋め込んでいかなければなりません。
テクノロジーが人間の仕事を代替していくこれからの時代、コールセンターを単なる「処理工場(コストセンター)」のまま終わらせるのか。それとも、AIには絶対に真似できない「聞く力」でお客様の心を掴む戦略的拠点(プロフィットセンター)へと進化させるのか。
数年後の現場の景色を変えるための仕込みは、もう今日から始まっています。
【WanderinConsulting(ワンダリンコンサルティング)】
私は、未来のDX/AIトレンドを歓迎しつつも、だからこそ「電話を受ける人間」の価値が最大化すると信じています。 「ツールを入れたが現場がついていけない」という一歩先の未来の危機を防ぐため、金融15年・現場13年の実務経験とDX知識から逆算し、人が育ち、定着する運用の仕組み作りを伴走支援します。
- 未来の難局に耐える人間力を育てる「応対スキルアップ・人材育成プログラム」
- 高い離職率という財務的負債を今から削減する「3ヶ月伴走型定着率改善プログラム」
5年後の現場を守るための第一歩を、一緒に踏み出しませんか?まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku
債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立
保有資格
DX推進パスポート
JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)COPCリーンシックスシグマイエローベルト
- コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
- ビジネスキャリア検定(労務管理)










