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コールセンターでオペレーターのミスを「注意不足」と責め、使いにくいシステムや曖昧なマニュアルを放置していませんか?組織を殺す個人攻撃(Bad探し)を止め、構造的な欠陥(Problem)を解像度高く改善する「Problem思考」へのアプローチを解説。
「なぜ、言われた通りにできないんだ?」
「こんな単純な確認ミスをするなんて、注意力が足りないんじゃないか?」
オペレーターがミスをしたとき、思わず語気を強めて個人を問い詰めてしまう――。コールセンターの現場で、日常茶飯事のように繰り広げられている光景です。
一方で、「システムが古くて使いにくい」「マニュアルの記載がわかりにくくて迷う」といった業務フローや仕組みの不備に対しては、「まあ、昔からこのやり方だから仕方ない」「構造的な問題だから改善は難しい」と諦め、放置してはいないでしょうか。
28年間、現場の最前線で多くの組織を見てきた私なりの結論では、
この管理者の姿勢は、正解と完全に「真逆」です。
組織を疲弊させる現場ほど、「個人のミス」には苛烈で、「構造的なミス」には寛容です。現場を再生させ、自走する強い組織を作るために必要な「ミスの捉え方」と、解像度の高い原因究明のアプローチについて解説します。
■ なぜ管理者は「個人」を責め、「構造」を放置するのか
なぜ、多くの現場でこの「真逆の逆転現象」が起きてしまうのでしょうか。理由は極めてシンプルです。「個人を責める方が、管理者の立場として楽だから」です。
ミスが発生した際、「彼の注意不足だ」「彼女のスキル不足だ」と個人の資質(Bad)に原因を求めてしまえば、管理者は「次から気をつけて」と注意するだけで仕事が終わります。個人の精神論にすり替えることで、本来向き合うべき「業務フローの複雑さ」や「マニュアルの欠陥」という面倒な構造的問題から目を背けることができるのです。
しかし、この「Bad(悪者)探し」を続けていると、現場には恐ろしい弊害が生まれます。
- ミスの隠蔽体質が育つ: 失敗すると叱責されるため、スタッフはミスを隠すか、人のせいにするようになります。
- 挑戦意欲が失われる: 「指示されたこと以外はやらない方が安全だ」という事かれ主義が蔓延します。
- 管理者の疲弊と離職の加速: 根本原因(仕組み)が解決していないため、同じミスが永遠に繰り返され、管理者は対応に追われ続けます。
■ 許容すべきミスと、徹底追及すべきミスの「正しい線引き」
本来、組織として取るべき態度は正反対でなければなりません。
1. 「個人のミス」は許容せよ(原因が明確で、挑戦したうえでの失敗)
人間である以上、どれほど熟練したプロであっても一定の割合でエラーを起こします。特に、新人が業務に慣れようと必死に取り組んだ結果の失敗や、現状を良くしようと新しい手順に挑戦したうえでのミスは、「成長のための授業料」として基本的に許容すべきです。
本人が「何を目指して、どう行動したか(プロセス)」にフォーカスし、「挑戦した姿勢」を評価すること。ここで個人を責めてしまうと、スタッフの自己効力感(自分にもできそうだという確信)は一瞬で打ち砕かれます。
2. 「構造的なミス」こそ、徹底的に解像度高く原因究明せよ
許してはならないのは、「誰の責任か曖昧な業務フロー」「人によって解釈が分かれるマニュアル」「何度も同じ場所で発生するシステム上のトラップ」といった構造的なミスの放置です。
再現性が高く、誰が担当しても同じ罠にかかるような仕組みの欠陥(Problem)は、組織の利益と品質を静かに蝕む財務的負債です。これこそが、管理者が全力を挙げて解像度高く原因を突き止め、改善すべき対象なのです。
■ 仕組みの欠陥を潰す「Problem思考」3つのアプローチ
個人のせいにする「Bad探し」を止め、構造を改善する「Problem思考」へ現場を転換させるためには、以下の3つのステップで原因究明を行ってください。
STEP 1:原因を「注意不足」という曖昧な言葉で片付けない
ミス報告書に「確認不足」「注意不足」と書かれていたら、その時点で再提出させてください。それは原因ではなく「現象」です。「なぜ、確認しづらい画面レイアウトになっているのか」「なぜ、注意が散漫になるほど入力項目が多いのか」という構造の解像度をどこまで上げられるかが勝負です。
STEP 2:ミスが発生した「前後のフロー」を分解する
ミスが発生した「その瞬間」だけを見るのではなく、その前後のオペレーションを細かく分解します。「保留を押す前に別画面を開く手順になっている」「顧客から聞き取る順番と、システムに入力する順番が逆になっている」など、現場のやりづらさ(人間工学的な不自然さ)の中に、必ずミスを誘発する真因が存在します。
STEP 3:現場のオペレーターと一緒に「仕組み」を書き換える
管理者が卓上で考えた「新しいルール」を上から押し付けても、現場には定着しません。実際にその不備に苦しんでいるオペレーターを巻き込み、「どうすれば迷わず選択できるか」「どこに赤字で補足を入れるべきか」を一緒に検証し、マニュアルやチェックリストを書き換えてください。自分たちの声で仕組みが変わる体験が、現場の当事者意識を育てます。
■ 失敗を恐れない「強い文化」は、正しく整えられた仕組みから生まれる
「人が悪いのではない、仕組みが悪いのだ」
この視点を管理者が徹底して持ち続けることで、現場の空気は大きく変わります。スタッフはミスを恐れて萎縮するのをやめ、「ここが使いにくいので直しましょう」と前向きな改善の声を上げるようになります。
個人を責める不毛な時間(Bad探し)を終わりにし、再現性のある欠陥(Problem)を一つひとつ潰していく。この愚直な仕組み作りの積み重ねこそが、3ヶ月で新人が辞めない「強い組織」の土台となるのです。
個人のミスを責める風土のままでは、新人は萎縮し、ミスを隠すか離職を選ぶしかなくなります。 WanderinConsultingの『新人オペレーター定着率改善プログラム』では、ミスの発生を「仕組みの課題(Problem)」として客観的に捉え、改善サイクルを自動化する組織OSへのアップデートを行います。具体的な改善手法については、下記からお問い合わせ下さい。
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この記事を書いた人
コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku
債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立
保有資格
DX推進パスポート
JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)COPCリーンシックスシグマイエローベルト
- コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
- ビジネスキャリア検定(労務管理)






