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地方の通販やコールセンターにも「優秀な原石」は必ずいる。なぜ彼らは問題意識を持ちながらも周囲と孤立し、静かに辞めてしまうのか?現場のべ28年のコンサルタントが、AI活用とモチベーションを守る共感アクションを解説。
コールセンターの地方の現場に入ると、時折、驚くような才能に出会うことがあります。
それまでデスクワークの経験が一切なかった若い女性のオペレーターが、圧倒的なスピードで実務を吸収し、瞬く間にSVへと昇格していく。有名企業の華々しい看板がない地方の中小企業であっても、自社の中に「優秀な原石」は確実に埋もれているのです。
しかし、多くのセンター長や経営層は、その原石の存在に気づいていながら、最悪の結末を迎えてしまいます。
ある日突然、その優秀な人材から「一身上の都合により、来月で退職させてください」と、静かに退職届を差し出されるのです。
なぜ、彼らは組織の中で孤立し、去っていってしまうのでしょうか。
■ 「ステージの違い」が引き起こす、孤独な息切れ
優秀な人材が離職を決意するとき、現場では静かな、しかし決定的な「心の折れる音」がしています。原因は、本人のやる気がなくなったからではありません。自分の問題意識と、周囲の温度感との「差」に絶望したからです。
一歩先が見えている彼らは、「ここの業務フローを変えれば、もっと新人が辞めなくなるのに」「この無駄な手順を削れば、顧客対応の質が上がるのに」と、現場のオペレーションに対する明確な課題感やビジョンを持っています。
しかし、周囲の同僚や部下とは見えている「ステージ」が違いすぎるため、問題意識を共有できません。そればかりか、勇気を出して上司に改善案を提案しても、「予算がないから」「今の体制の維持で精一杯だから」と、のらりくらりとはぐらかされてしまう。
「この会社では、自分がどれだけ声をあげても何も変わらない」
「自分の能力を発揮できる場所は、ここにはない」
そう自覚した瞬間から、彼らは会社を諦め、水面下で次の職場を探し始めます。優秀な人材を孤立させることは、最大の組織損失です。
■ AIによる「時間創出」と、外部の刺激
彼らのモチベーションの火を消さないために、まず必要なのは「時間」と「刺激」です。
優秀なスタッフほど、現場の泥臭いトラブル対応やルーティンワークに時間を奪われ、本来やりたいはずの「改善」に割く時間がありません。だからこそ、情報のやり取りや定型業務はAIに徹底的に道を譲り、彼らに「考えるためのちょっとした空き時間」を強制的に作り出す必要があります。
同時に、社内だけで煮詰まらないよう、外部の人材や知見に触れさせ、「ちょっとした気づき」を与える刺激も不可欠です。
しかし、それ以上に決定的なのは、彼らを一人きりにしないための「共感アクション」です。
■ 「いつか実現できそうだ」という希望を並走して作る
私がコンサルタントとして現場に入るとき、最も力を入れているのが、この孤立した優秀な人材への「寄り添いと並走」です。
彼らが抱くアイデアの壁打ち相手になり、独りよがりにならない具体的な改善策へと一緒に昇華させる。そして、一人では突破できない経営層へのアプローチ方法や、部下への巻き込み方を泥臭く一緒に考え、実行していきます。
大切なのは、綺麗事の理想論を語ることではありません。「こんなやり方をすれば、うちの会社でもいつか実現できそうだ」というリアルな希望を、彼らの心の中に作ることです。
彼らの発信するビジョンに耳を傾け、本気で共感し、一緒に汗をかく存在が一人いるだけで、現場の原石はまた圧倒的な輝きを取り戻します。
あなたのセンターにいる優秀なスタッフは、今、一人で孤立していませんか?彼らが静かに諦めてしまう前に、まずはその問題意識に本気で共感する一歩を踏み出してください。
この記事を書いた人
コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku
債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立
保有資格
DX推進パスポート
JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)COPCリーンシックスシグマイエローベルト
- コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
- ビジネスキャリア検定(労務管理)






