Title

  • コールセンター固有のマネジメントスキル
  • コールセンターシステム
  • 業務改善
  • 離職防止

AIに「人間の代わり」をさせない。コールセンターの運用マネジメントにIT知識が必要な本当の理由

目次

  1. ■ 「ただの置き換え」が失敗する構造
  2. ■ 「ペルソナ」の限界をAIが突破する
  3. ■ 「連絡すること自体が楽しみになる」エンタメへの変貌
  4. ■ 運用者に求められるのは、ベンダーと深く折衝できる知識

Content

AIを単なる「人の置き換え」と考えているうちはプロジェクトは失敗する。人間の応対を構造化し、AIだからこそ100%割り切って成立する「ペルソナ・エンタメ対応」へと業務を再構築せよ。コールセンターをファン化の場に変えるIT知識の真意を、現場経験のべ28年のプロが語る。

昨今、コールセンター業界でも「AI導入」の文字を見ない日はありません。

しかし、多くのITベンダーや一般的なコンサルタントが提案するのは、きまって「AIを人間の代わりに喋らせて、人件費を削りましょう」というコスト削減の文脈です。

しかし、あなたがセンター長として「人をAIにそっくりそのまま置き換えて、人と同じように対応させる」というイメージだけでPoC(概念実証)を進めているとしたら、そのプロジェクトは高確率で「まだ実用レベルに達していない」という結論で失敗に終わるでしょう。

なぜなら、AI導入の本質は「人間の単純なリプレイス(置き換え)」ではないからです。これからのコールセンターの運用マネジメントにITやAIの知識が必要とされる本当の理由は、コスト削減のためではなく、業務を構造化し、全く新しい価値へと「再構築」するためです。

■ 「ただの置き換え」が失敗する構造

IT知識のないマネージャーが陥る最大の罠は、人間が現場で行っている複雑な対応をひとくくりにして、そのままAIに丸投げしようとすることです。

人間は、無意識のうちに「情報の処理」「感情のケア」「状況に応じたキャラクターの使い分け」を同時に行っています。これをそのままAIにやらせようとしても、今の技術では不自然な歪みが生まれるのは当然です。

AIを現場で正しく機能させるためには、まず人間が行っている作業を徹底的に「構造化」しなければなりません。

「どの部分が感情の伴わない定型的な情報処理なのか」「どの部分が人間にしかできない泥臭い対話なのか」を切り分ける。そして、AIの現在の実力と限界を正しく理解して初めて、業務の再構築という「現実味」を帯びてくるのです。

そして業務を構造化した先には、人間にすらできなかった「AIだからこそできる付加価値」を生み出す世界が待っています。

■ 「ペルソナ」の限界をAIが突破する

例えば

コールセンターの現場実務において、私たちはオペレーター(OP)に対して「ペルソナ(理想の応対キャラクター)」を伝えて実行させることがあります。

例えば、堅い金融機関のBPOであれば信頼感のある「銀行員」、高齢者向けのコスメ通販であれば親しみやすい「近所の友人やかわいい孫」など、その商品やサービスに合わせて、顧客が求める理想のOP像になりきってもらうのです。

しかし、人間がこれを行う場合、OP個人のパーソナリティによって「どこまでなりきれるか」にどうしても限界があります。

余談ですが、都心のコールセンターでは役者や声優の卵がOPのアルバイトをしているケースが少なくなく、そういった方は見事になりきって素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれます。しかし、地方の中小企業や一般的なセンターで、全スタッフにそのクオリティを求めるのは不可能です。

ここに、AIの圧倒的な強みがあります。

AIであれば、人間のような照れも、個人のパーソナリティによるムラもなく、指示されたペルソナの役割を100%完璧に、24時間いつでも均一なクオリティで遂行し続けることができるのです。

■ 「連絡すること自体が楽しみになる」エンタメへの変貌

この「完璧にペルソナになりきれるAI」の特性を、IT知識を持ったマネージャーが正しく操れば、コールセンターはただのクレーム処理や手続きの場所(コストセンター)から、全く別の場所に生まれ変わります。

例えば、ペット用品の通販センターを考えてみてください。

もし人間のオペレーターが「受け付けましたワン!」「どんな用件なんだニャア?」と電話で対応してきたら、顧客は「何を子供騙しなことを言っているんだ」と白けてしまうかもしれません。

しかし、最初から「可愛い動物のAI」が対応していると分かっていれば、人はそれを「エンタメ」として100%受け入れ、楽しむことができます。

「用件はないけれど、あのAIワンコともっと話したいから連絡してみよう」

もし顧客にそう思わせることができたら、コールセンターの存在意義は根底から覆ります。単に「問題を解決するために嫌々連絡する場所」から、連絡すること自体が顧客に「楽しみを提供する場(プロフィットセンター)」へと変貌を遂げるのです。

■ 運用者に求められるのは、ベンダーと深く折衝できる知識

「AIに人間の代わりをさせる」という発想でいるうちは、いつまで経ってもコールセンターはコストの足かせのままです。「人間ではできないことを、AIにさせる」という視点を持って初めて、新しいオペレーションの扉が開きます。

ITベンダーのキラキラした営業トークに流されず、自社の業務を構造化し、AIを使ってどう現場を再構築するか。

それを見極めるためのIT知識を持つことこそが、これからの時代に選ばれるセンター長、そして次世代のマネジメント層に求められる絶対条件だと私は確信しています。

この記事を書いた人

コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku

この記事を書いた人

コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku

債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立

保有資格

  • DX推進パスポートDX推進パスポート
  • JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)
  • COPC LEAN SIX SIGMA FOR CONTACT CENTERS YELLOW BELT CERTIFIEDCOPCリーンシックスシグマイエローベルト
  • コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
  • ビジネスキャリア検定(労務管理)
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    電話番号:050-5897-5849
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    制定日2024年2月1日

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