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  • コールセンター固有のマネジメントスキル
  • コミュニケーションのしくみ
  • ヒューマンマネジメント
  • 聞く・理解する

AI時代に残るオペレーターの価値は「正解」を出すことではない。ハイパフォーマーだけが聞こえている『沈黙の言葉』とは

目次

  1. AIは「言葉」を聞き、人は「行間」を聞く
  2. 「大丈夫です」の裏にある諦め
  3. 「マニュアル人間」を育てるのはもうやめよう
  4. 結論:AIと人の「棲み分け」

Content

AIが普及するほど、人間の価値は高まります。それは「正解」を出すことではなく、お客様が口にしなかった「沈黙(遠慮)」を察する力です。AIには聞こえない「行間」を聞き取り、感動を生むハイパフォーマーの技術と、これからの人材育成について解説します。

前回の記事で、AIの最大の価値は「無限の忍耐力(=お客様の遠慮を取り払うこと)」にあるとお話ししました。では、AIが進化しあらゆる質問に即座に、正確に答えられるようになったとき、人間のオペレーターの役割は無くなるのでしょうか?

私の答えは「No」です。むしろ、AIが普及すればするほど、「人間にしかできない対応」の価値は相対的に高まります。

それは「共感」や「ホスピタリティ」といった曖昧な言葉で片付けられがちですが、私はもっと具体的なスキルだと定義しています。それは、「お客様が口にしなかった言葉(遠慮)を察する力」です。

今回は、AIには決して真似できない、日本のハイパフォーマーが持つ「察する力(Sensing)」についてお話しします。

AIは「言葉」を聞き、人は「行間」を聞く

AI(特にLLM)は言葉の処理能力において人間を凌駕しています。「領収書の発行方法を教えて」と聞けば、瞬時にマニュアルを提示できます。しかし、現場で本当に優秀なオペレーターは、その質問の裏側に潜む背景を読み取ります。

お客様:「領収書の発行方法を教えて」

    AIの対応: 「発行手順はこちらです(URL)」→ 解決

    ハイパフォーマーの対応: 「発行手順はこちらですが、もしかして今、経費精算の締切間際でお急ぎでしょうか? もしお急ぎなら、PDFで即時発行できる方法もありますが、いかがなさいますか?」

    この違いはどこから生まれるのでしょうか。それは、お客様の声のトーン、問い合わせの時期(月末)、あるいは「少し焦っているような間(ま)」といった非言語情報から、「言葉にされていない事情」を察知しているからです。

    お客様自身も、まさかそこまで気を使ってもらえるとは思っていないため、「急いでいる」とは口に出しません(遠慮しています)。この「頼まれていないこと」に気づき、先回りして提案する力こそが、AIに対する(現時点の技術での)人間の圧倒的な優位性です。

    「大丈夫です」の裏にある諦め

    もう一つ、わかりやすい例があります。トラブル対応の最後にお客様が言う「ああ、もう大丈夫です」という言葉です。

    AIはこれを「解決・納得(Positive)」と判断し、クロージングに向かいます。しかし、人間なら分かります。その「大丈夫です」が、本当に納得しているのか、それとも「これ以上話しても無駄だと諦めた(ネガティブ)」のか。

    私が現場で見てきたトップオペレーターたちは、この瞬間に必ず立ち止まります。

    「お客様、今『大丈夫』とおっしゃいましたが(少し言い淀まれたように感じました。)、もし私の説明で分かりにくい点や、ご納得いただけない点があれば、遠慮なくおっしゃってください」

    この一言が言えるかどうかが、顧客満足度を決定づけます。「言葉通りに受け取らない」という高度な判断は、今のところ人間にしかできません。

    「マニュアル人間」を育てるのはもうやめよう

    これまで多くのコールセンターでは、オペレーターを「マニュアル通りに喋るロボット」のように教育してきました。しかし、その領域はこれからはAIの独壇場になります。人間がその土俵でAIと戦っても、スピードと正確性で勝てるわけがありません。

    これからの人材育成に必要なのは、スクリプトを暗記させることではなく、「お客様の心の機微(サイン)」に気づく感性を磨くことです。

    • 声のトーンが下がった瞬間
    • 返答までの不自然な「間」
    • 「とりあえず」や「一応」といったクッション言葉

    これらを「アラート(注意信号)」として感知できるようにトレーニングする。それが、これからの時代における「教育」の本質のひとつです。

    結論:AIと人の「棲み分け」

    AIは「お客様が気兼ねなく何でも聞ける(遠慮の解消)」ために使う。
    人間は「お客様が言い出せなかったこと(遠慮の汲み取り)」のために使う。

    この両輪が回ったとき、初めて日本のCSは「おもてなし」の領域に到達します。皆さんの組織では、オペレーターに対して「AIのような正確さ」を求めていませんか?人間ならではの「察する力」を評価し、伸ばす仕組みが整っていますでしょうか。

    この記事を書いた人

    コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku

    この記事を書いた人

    コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku

    債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
    SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立

    保有資格

    • DX推進パスポートDX推進パスポート
    • JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)
    • COPC LEAN SIX SIGMA FOR CONTACT CENTERS YELLOW BELT CERTIFIEDCOPCリーンシックスシグマイエローベルト
    • コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
    • ビジネスキャリア検定(労務管理)
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      電話番号:050-5897-5849
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      制定日2024年2月1日

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