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なぜ、チャット中心の組織では「冷たい」と誤解され、人が辞めていくのか?その原因は性格ではなく「文章のルール」の欠如にあります。年間500万円もの損失になりかねない離職を防ぎ 、3ヶ月で「辞めない組織」の土台を築くための 、感情を排した「冷徹で優しい」文章術を公開します。
1. はじめに:「文字」が人間関係を壊していく
リモートワークや多拠点展開が進み、仕事のやり取りが「チャット」や「メール」中心になった組織で、必ずと言っていいほど起きる問題があります。
それは、「テキストコミュニケーションによる精神的摩耗」です。
対面なら表情や声のトーンで伝わるニュアンスが、文字になった途端に消え失せる。「なんで●●なんですか?」というただの質問が、受け手には「怒られている」「責められている」と変換され、現場に不満や孤立感が溜まっていきます。
そしてある日、優秀なスタッフが「ここは人間味がなくて冷たい」「怖い人が多い職場だ」と言い残して辞めていく。
多くのリーダーはこれに対し、
「もっと絵文字を使おう」「Zoomで雑談タイムを作ろう」「社内のレクリエーションを増やそう」
といった「温度感」で解決しようとします。しかし、私が現場で導き出した答えは真逆です。ギスギスした組織に必要なのは、温かさではなく「感情を捨てるルール」でした。
2. 「人格」ではなく「ルール」と戦わせる
私が以前働いていた現場でも、ミスに対する「指摘」と、それに対する「言い訳」の応酬で、チャットルームが殺伐としたことがありました。
そこで私は、全員に「社内での文章のやり取りの仕方」というルールを配布し、徹底させました。そのルールの核心は、「仕事上のやり取りに感情を入れない(教育しようとしない)」ことです。
例えば、部下がミスをした時、多くの人は無意識にこう書きます。
- × 「なんで●●と記入してるんですか?(怒り・疑問)」
- × 「以前から直っていません(過去への言及)」
これを受け取った側は、ミスをした事実よりも「攻撃された」という負の感情が先に立ちます。そこで、ルールによってこう書き換えさせました。
- ○ 「●●ではなく▲▲と記入してください(事実・依頼のみ)」
- ○ 「●●となっていることが多いので、▲▲としてください(未来への修正)」
このルールを導入した狙いはシンプルです。「あなた(人格)を責めているのではなく、ルール(事実)を確認しているだけだ」という前提を組織全体にインストールすることです。
3. 「冷たさ」が「プロ意識」に変わる瞬間
「感情を入れるな」と言うと、一見冷たい組織になりそうですが、結果は逆でした。
ルール導入後、現場の空気は確実に柔らかくなりました。
なぜなら、指摘する側も「どう言えば角が立たないか」と悩む必要がなくなり、指摘される側も「あの人は機嫌が悪い」と勘ぐる必要がなくなったからです。
「お互いがルールを前提にやり取りする」ことで、コミュニケーションのノイズ(感情の摩擦)が消え、業務そのものに集中できる環境が生まれました。
「あの人の言い方がきつい」という悩みは、実はその人の性格の問題ではなく、「言い方・伝え方のルールがないこと」が原因であるケースがほとんどです。
4. 結論:優しさとは、迷わせないこと
離れた場所で働くスタッフが最も求めているのは、過剰な優しさや絵文字の量ではありません。「どうすれば正解か」が明確で、余計な感情に振り回されずに働ける環境です。
もしあなたの組織で、テキストコミュニケーションによる摩擦が起きているなら、「もっと仲良くしよう」と精神論を説く前に、「文章のルール」を定めてみてください。
その「冷徹なルール」こそが、結果としてスタッフの心を守る最大の防波堤になります。
この記事を書いた人
コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku
債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立
保有資格
DX推進パスポート
JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)COPCリーンシックスシグマイエローベルト
- コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
- ビジネスキャリア検定(労務管理)






