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「便利なAIを入れたのに誰も使わない」。中小企業のDXが失敗する理由は、ツール導入の順番間違いにあります。散らかった部屋にルンバを放つ前にやるべき、業務の『可視化』と『断捨離』とは?現場の心理的ハードルを下げ、ツールを定着させる鉄則3ステップを解説。
「こんなに便利な機能があるのに、なぜ導入してくれないんだ?」
AIベンダーの方から、そんな嘆き節をよく耳にします。確かに、最新のSaaSやAIツールは素晴らしい機能を備えています。理論上は、業務効率が劇的に向上するはずです。
しかし、中小規模のコールセンターや現場では、その「理論上の正解」が驚くほど通用しません。
予算の問題? リテラシーの問題?
いいえ、もっと根本的な問題があります。それは、現場が「変化に伴うコスト(面倒くささ)」と「責任(ROI)」を恐れているからです。
現場は「現状維持」のプロである
私はかつてBPOベンダーに勤務していましたが、そこではクライアントの意向で半ば強制的に新ツールが導入されることが多々ありました。
導入直後の現場は、阿鼻叫喚です。
「使いにくい」「前の方が早かった」「ミスが増えた」
あらゆる文句が出ますが、数ヶ月もすれば皆なんとなく使いこなしています。人間は、与えられた環境に適応する生き物だからです。
しかし、この「強制力」がない一般的な企業ではどうでしょうか?
「導入にかかる工数が割けない」「導入して効果が出なかったら誰が責任を取るんだ(ROIを言い切る勇気がない)」
そうやって導入が見送られ、結局いつまでも非効率なExcel作業が温存され続けます。
「導入」の前にやるべき2つのステップ
多くの企業がDXやツール導入で失敗するのは、手順を間違えているからです。いきなり「最終Step」から始めようとするから、現場が拒絶反応を起こすのです。
私が提唱する、ツール定着のための鉄則ステップは以下の通りです。
- 業務の可視化(タスク化): 今、誰が何をやっているかを洗い出す。
- 業務の最適化(断捨離): ツールに入れる前に、無駄な業務を捨てる。
- タスクの置き換え(ツール化): 最適化された業務を、ツールに乗せ換える。
失敗する現場は、1と2を飛ばして、いきなり3をやろうとします。
これは例えるなら、「足の踏み場もないほど散らかった部屋に、最新のルンバを放つ」ようなものです。ルンバ(AI)は障害物にぶつかって止まるか、ゴミを吸い込んで壊れるだけです。
まずは「掃除」から始めよう
「業務の可視化」と「最適化」。
この地味で泥臭い掃除が終わっていない現場に、高価なAIツールを入れても、それは「ゴミ屋敷をデジタル化する」ことにしかなりません。逆に言えば、1と2さえ完了していれば、ツール選定は簡単です。「このタスクを自動化したい」という目的が明確だからです。
「うちはまだAIなんて早い」と思っている経営者の方。
AIを入れるのが早いのではありません。「掃除」が終わっていないだけです。ツールを検討する前に、まずは現場のタスクの棚卸しから始めてみませんか?
【無料相談受付中】
「何が散らかっているのか分からない」という状態からの整理整頓を支援します。 ツール導入前の業務可視化・最適化のご相談は、Wanderin Consultingまで。
この記事を書いた人
コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku
債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立
保有資格
DX推進パスポート
JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)COPCリーンシックスシグマイエローベルト
- コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
- ビジネスキャリア検定(労務管理)






