Content
マニュアルに書いていない「現場の暗黙知」をAIで可視化するには?GoogleのNotebookLMに「既存マニュアル」と「生の応対データ(CSV)」を同時に読み込ませ、隠れたルールを暴き出す超実践的なノウハウと、AIの暴走を防ぐためのプロンプトの鉄則を公開します。
「マニュアルには書いていないけれど、現場のみんなは暗黙の了解でこう処理している」
コールセンターやCSの現場には、こういった「隠れたルール(暗黙知)」が山のように存在します。
これを人間が一つ一つ探し出してマニュアル化しようとすると、膨大な時間と労力がかかります。しかし今、Googleが提供している「NotebookLM」というAIツールを正しく使えば、この泥臭い作業を劇的に効率化させることができます。
今回は、私が実際に現場のOps構築で使っている、AIを活用した「超・実践的なマニュアル作成術」を公開します。
■ 「既存のマニュアル」と「生のCSVデータ」を掛け合わせる
NotebookLMの最大の強みは、複数のPDFやドキュメントを読み込ませて、その資料の中だけで精度の高い回答を出してくれる点です。
ここでやるべきハックは、「既存の(情報が古くて使えない)マニュアル」と一緒に、「現場のオペレーターが実際に入力した過去の応対履歴(生ログのCSVデータ)」を同時に読み込ませることです。
以前、実際にこの手法を試した際、NotebookLMからこんな回答が返ってきて驚かされました。
「マニュアルの記載とは異なりますが、実際の応対履歴のデータ傾向を見ると、恐らくこのルールに関しては●●という処理を行うのが現場の正解だと思われます」
マニュアルという「建前」と、CSVデータという「現実」を見比べることで、AIが自ら矛盾に気づき、可視化されていなかった「隠れたルール」を暴き出してくれたのです。もし既存のマニュアルだけを読み込ませていたら、この正解には絶対にたどり着けなかったでしょう。
■ AIの暴走を防ぐ、プロンプトの「鉄則」
ただし、前回の記事でも書いた通り、AIは「古いルール」と「新しいルール」が同居しているとすぐに混乱し、嘘(ハルシネーション)をつきます。また、頼んでもいないのに「こうすれば業務が効率化できますよ」と勝手な提案を始めたりもします。
これを防ぎ、100%現場の事実だけを抽出させるために、私は必ず以下の指示(プロンプト)を入れています。
1. 「今回の作業は業務改善が目的ではありません。業務の運用方法を、資料から読み取れる情報のみを元に100%正確に可視化することが目的です」
2. 「ソース内の情報が重複している場合、確認できる限りでより新しい日付の情報を参照して下さい」
この2つの呪文を入れるだけで、AIは「勝手なコンサルごっこ」をやめ、事実の抽出と整理に徹してくれるようになります。
■ 一発で正解は出ない。結局はAIとの「泥臭い壁打ち」
とはいえ、どんなに素晴らしいプロンプトを入れても、ボタン一発で完璧なマニュアルが出てくるわけではありません。
実際には、AIが迷い始めたら読み込ませるソース(参照資料)をあえて絞ったり、同じ質問を何度も角度を変えて繰り返したりします。AIが書き出したドキュメントに対しても、「この資料で本当に問題ないか? 矛盾している部分はないか?」と、何度も何度も問い詰める(壁打ちする)作業が必要です。
「AIを使えば一瞬でマニュアルができる」というのは、現場を知らない人間の幻想です。
しかし、現場の泥臭い事実(データ)を揃え、正しい指示を与え、根気よく壁打ちをする覚悟がある人間にとって、AIは「属人化のブラックボックス」を開ける最強の相棒になります。
現場の謎ルールや分厚いマニュアルにお悩みの方は、ぜひこの「生データ×NotebookLM」のアプローチを試してみてください。
この記事を書いた人
コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku
債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立
保有資格
DX推進パスポート
JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)COPCリーンシックスシグマイエローベルト
- コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
- ビジネスキャリア検定(労務管理)






の画面-1-300x300.png)