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カスハラは“対話力”で防げる!コールセンターで増加するカスタマーハラスメント(カスハラ)。その多くは、顧客の本音や感情を汲み取れなかったことが原因です。本記事では、カスハラを未然に防ぐために必要な「意図を汲んだ対話」の重要性と、現場で実践できる具体的な対処法を紹介。現場の空気を変えたい方、対応力を高めたい方に向けた、実践的なヒントが詰まっています。
カスハラを未然に防ぐには、相手の意図を汲んだ対話から
コールセンターにおける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」は、年々深刻化しています。理不尽な要求や暴言、長時間の拘束など、現場のストレスは計り知れません。多くの企業がマニュアルやガイドラインを整備していますが、それでも完全に防ぐことは難しいのが現実です。
では、カスハラを“未然に防ぐ”にはどうすればよいのでしょうか?その鍵は、「相手の意図を汲んだ対話」にあります。
カスハラの背景にある“感情”を見逃さない
カスハラの多くは、最初から攻撃的だったわけではありません。多くの場合、顧客は「不安」「不満」「期待外れ」といった感情を抱えており、それがうまく伝わらず、やがて怒りや攻撃性に変わっていきます。
たとえば、「なんでこんなに時間がかかるんだ!」という怒声の裏には、「自分の時間を大切にしてほしい」という思いが隠れているかもしれません。ここで表面的な言葉だけを受け取ってしまうと、対応は防御的・事務的になり、顧客の怒りをさらに煽る結果になります。
「意図を汲む」とはどういうことか?
意図を汲むとは、相手の言葉の奥にある「本当の目的」や「感情の背景」を読み取ることです。これは単なる“傾聴”ではなく、相手の立場に立って考える“共感的理解”に近いものです。 たとえば、「こんな対応じゃ納得できない!」という言葉に対して、「申し訳ありません」だけで終わらせるのではなく、「ご不安なお気持ち、お察しします。特にどの点がご納得いただけなかったか、詳しくお聞かせいただけますか?」と返すことで、相手は「この人は自分の話をちゃんと聞こうとしている」と感じ、トーンが和らぐことがあります。
対処法:現場で実践できる3つのアプローチ
1.“感情の翻訳”を意識する
顧客の言葉をそのまま受け取るのではなく、「この言葉の裏にある感情は何か?」を考える習慣をつけましょう。チーム内で事例を共有し、「この発言の背景には何があったと思う?」といったトレーニングも効果的です。
2.共感+確認のフレーズを用意する
「ご不便をおかけして申し訳ありません」だけでなく、「○○がご不安だったのですね」と、相手の感情を言語化して返すことで、信頼関係が築きやすくなります。
3.初期対応の質を高める
カスハラに発展する前段階で、丁寧かつ的確な対応ができれば、多くのトラブルは防げます。特に、最初の30秒で「この人は信頼できる」と思わせることが重要です。
カスハラ対策は、ルールやマニュアルだけでは限界があります。現場の一人ひとりが「相手の意図を汲む力」を持つことで、トラブルの芽を早期に摘み、より健全なコミュニケーションが生まれます。
私たちは、こうした“対話力”を育てる研修や現場改善の支援を行っています。もし、あなたの現場でも「カスハラが増えてきた」「対応が属人的になっている」と感じているなら、ぜひ一度ご相談ください。
この記事を書いた人
コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku
債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立
保有資格
DX推進パスポート
JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)
COPCリーンシックスシグマイエローベルト
- コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
- ビジネスキャリア検定(労務管理)