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「話しているのに伝わらない…」その原因、話し始める前にあります。コールセンターの現場でよくある“伝わらない説明”。その多くは、「自分が何を話したいか」ばかりに意識が向いていることが原因です。本記事では、「あなたに何を理解してほしいか」を先に伝えることで、説明の伝わり方が劇的に変わる理由と、現場で実践できる具体的な工夫を紹介。伝える力を高めたい方におすすめの内容です。
「自分が何を話したいか」ではなく「あなたに何を理解してほしいか」を伝えてから話しだしましょう──伝わるコミュニケーションは“目的の共有”から始まる
コールセンターの現場では、オペレーターが顧客に対して情報を伝える場面が日常的に発生します。しかし、「話したはずなのに伝わっていない」「説明したのに納得してもらえない」といった悩みは、どの現場でも共通して存在します。
このような“伝わらない”問題の多くは、話し手が「自分が何を話したいか」に意識を向けすぎていることが原因です。実は、伝える前に「あなたに何を理解してほしいか」を明確にするだけで、コミュニケーションの質は大きく変わります。
なぜ「理解してほしいこと」を先に伝えるべきなのか?
人は、話の“目的”が分かっていないと、情報の受け取り方が曖昧になります。たとえば、オペレーターが「この商品の返金条件についてご説明します」と言うのと、「この商品の返金条件を理解していただくことで、安心してご利用いただけます」と言うのでは、聞き手の集中度がまったく違います。
前者は“話す内容”の提示ですが、後者は“理解してほしい目的”の提示です。目的が明確になることで、聞き手は「この話を聞く意味がある」と感じ、情報を自分ごととして受け止めやすくなります。
また、目的を共有することで、話の流れが整理され、聞き手の理解度が高まります。これは、クレーム対応や複雑な手続きの説明など、緊張感のある場面ほど効果を発揮します。
対処法:現場で実践できる3つの工夫
1.「理解してほしいこと」を一言で伝える習慣をつける
話し始める前に、「この説明で○○を理解していただければと思います」と一言添えるだけで、聞き手の受け取り方が変わります。トークスクリプトにもこの構造を組み込むと効果的です。
2.話す前に“目的”を確認するトレーニングを導入する
新人研修やロールプレイで、「この話の目的は何か?」を意識させることで、話し方が自然と“伝える”から“理解してもらう”に変わります。
3.顧客の反応を見ながら目的を再提示する
話の途中で顧客が迷っている様子があれば、「この点を理解していただくことで、○○がスムーズになります」と目的を再提示することで、会話の軌道修正ができます。
コミュニケーションは、情報を届けるだけでなく、「相手にどう受け取ってもらうか」を設計する技術です。「話しているのに伝わらない」と感じている方は、まず“話す前の一言”を見直してみませんか?
私たちは、こうした“伝わる話し方”の設計から、現場のトーク改善・教育支援まで幅広くサポートしています。現場のコミュニケーション力を高めたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
この記事を書いた人
コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku
債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立
保有資格
DX推進パスポート
JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)
COPCリーンシックスシグマイエローベルト
- コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
- ビジネスキャリア検定(労務管理)